屋根・外壁工事をする際、ガルバリウム鋼板を使うメリットや他素材との違いについて解説!

ガルバリウム鋼板の基本情報

ガルバリウム鋼板とは、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%を混合した金属でコーティングされた鋼板のことです。この特殊な構成により、優れた耐久性と防錆性能を誇り、屋根や外壁の素材として広く使用されています。一般的な亜鉛メッキ鋼板と比較しても約3~6倍の防錆性能があり、長期的に安定した耐久性が求められる建築材料として注目されています。

 

ガルバリウム鋼板の特徴とメリット

耐久性と防錆性能の詳細

ガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛の独自の合金組成による「犠牲防食効果」と「耐候性向上」の両立が特徴です。

  • 犠牲防食効果:亜鉛が鉄の腐食を抑える働きを持ちます。亜鉛は鉄よりも先に酸化することで、鉄を守る「犠牲防食」の役割を果たします。
  • 耐候性の向上:アルミニウムが表面に薄い酸化被膜を形成し、外気や水分との接触を防ぐことで耐久性を高めます。この保護膜は紫外線や酸性雨、塩害といった過酷な環境下でも安定して機能します。

これにより、一般的な亜鉛メッキ鋼板に比べて寿命が長く、メンテナンス頻度を大幅に低減します。耐用年数は環境条件によりますが、通常20~30年程度とされています。

軽量性と施工性の利点

ガルバリウム鋼板は、鉄やステンレスに比べて軽量で、施工現場での取り扱いが容易です。

  • 軽量性の恩恵:特に大規模な屋根や外壁の施工では、建物自体の負荷を軽減することが可能です。これにより、基礎や構造体にかかる負担が少なくなり、耐震性能の向上にも寄与します。
  • 加工性の良さ:ガルバリウム鋼板は柔軟性があり、切断や曲げ加工が比較的簡単に行えます。複雑な形状の屋根や外壁デザインにも対応しやすいため、設計の自由度が高まります。

高い熱反射性による省エネ効果

ガルバリウム鋼板のアルミニウム層は、熱反射性に優れています。

  • 夏季の断熱効果:太陽光を効率的に反射するため、屋根に使用した場合、建物内の温度上昇を抑える効果があります。これにより、冷房の使用頻度が低下し、省エネや光熱費削減につながります。
  • 断熱材との併用:断熱材を組み合わせることで、さらに優れた断熱性能を発揮し、エネルギー効率を向上させることが可能です。

デザイン性と多様性

ガルバリウム鋼板は、用途に応じた様々な仕上げや加工が可能です。

  • 多彩なカラーバリエーション:ガルバリウム鋼板にはさまざまな塗装が施せるため、建築物の外観に合わせた色や質感を選ぶことができます。住宅から商業施設まで幅広いニーズに対応可能です。
  • 形状の自由度:曲線的なデザインや重ね張りなど、複雑な施工にも対応できます。これにより、単なる機能的な材料としてではなく、意匠的な価値も提供します。

 

ガルバリウム鋼板が使用される場面

倉庫や工場の屋根工事

広範囲の面積を覆う必要がある倉庫や工場では、耐久性と軽量性が重要視されます。ガルバリウム鋼板はこれらの条件を満たしつつ、コストパフォーマンスにも優れています。

一般住宅の外壁工事

耐候性が求められる外壁において、ガルバリウム鋼板は雨や紫外線による劣化を防ぎ、長期間にわたり美しい外観を維持します。

ガルバリウム鋼板のデメリット

耐熱性の限界

高温環境ではアルミニウムが溶解しやすいため、焼却炉などの過酷な条件下での使用には不向きです。

切断面の防錆性

加工時に切断された部分はコーティングがなくなるため、錆びやすい可能性があります。そのため、適切なメンテナンスや防錆処理が必要です。

 

 

ガルバリウム鋼板の施工方法と注意点

施工の手順

  • 下地の確認と整備:適切な下地が耐久性を左右します。
  • ガルバリウム鋼板の設置:重ね張りの際は隙間ができないよう調整します。
  • 接合部の処理:防水性を保つため、接合部にしっかりと防水処理を施します。

注意点

施工時には素材を傷つけないよう注意が必要です。傷がつくと防錆性能が損なわれるため、施工業者には十分な技術力が求められます。

 

ガルバリウム鋼板と他の建材との比較

トタンとの比較

トタンは鉄板に亜鉛メッキを施した建材で、ガルバリウム鋼板よりも歴史が古く、現在でも一部の用途で使用されていますが、それぞれの性能や用途には大きな違いがあります。

  1. 防錆性能の違い
    トタンは亜鉛メッキによりある程度の防錆性能を持っていますが、環境条件によっては錆びやすいという欠点があります。特に、酸性雨や塩害が発生する地域では、トタンの表面が劣化しやすく、定期的な塗装や補修が必要です。一方、ガルバリウム鋼板はアルミニウムと亜鉛の合金コーティングにより、トタンと比べて3~6倍の防錆性能を持ち、長期間にわたる耐久性を発揮します。
  2. 耐用年数の違い
    トタンの耐用年数は一般的に10~15年程度とされており、ガルバリウム鋼板の20~30年に比べて短命です。このため、長期間の使用を前提とした建材としてはトタンよりもガルバリウム鋼板が適しています。
  3. コストパフォーマンスの違い
    トタンはガルバリウム鋼板よりも初期コストが低いため、予算が限られている場合には選択肢となることがあります。しかし、防錆塗装や補修の頻度が多くなるため、長期的なコストパフォーマンスではガルバリウム鋼板の方が優れています。
  4. 外観とデザインの自由度
    トタンは表面仕上げやカラーバリエーションが限られているため、デザイン性が要求される用途では選択肢が限られます。一方で、ガルバリウム鋼板は塗装や加工の自由度が高く、建築デザインの幅を広げることが可能です。

ステンレスとの比較

ステンレスは鉄にクロムやニッケルなどを加えた合金で、極めて高い防錆性能と耐久性を誇りますが、用途やコスト面ではガルバリウム鋼板と明確な違いがあります。

  1. 防錆性能の違い
    ステンレスは、表面に形成されるクロム酸化膜によって非常に高い防錆性能を持ち、海沿いや高湿度の環境でも錆びにくいという特徴があります。一方、ガルバリウム鋼板も優れた防錆性能を持っていますが、ステンレスには及びません。しかし、ガルバリウム鋼板はステンレスと比較しても十分な耐久性を有し、一般的な屋根や外壁の用途ではほぼ同等に使用可能です。
  2. コストの違い
    ステンレスは製造コストが高く、建材としての価格も非常に高価です。特に大型施設や広範囲の施工を伴う場合、コストの負担が大きくなるため、コストパフォーマンスを重視する場合にはガルバリウム鋼板の方が適しています。
  3. 重量と施工性の違い
    ステンレスは非常に硬く重いため、施工時に専門的な技術や道具が必要となります。これに対し、ガルバリウム鋼板は軽量で加工性が高いため、施工性に優れています。特に複雑な形状の屋根や外壁に使用する際には、ガルバリウム鋼板の方が適している場合が多いです。
  4. デザインと用途の違い
    ステンレスは光沢感がある金属特有の質感が特徴で、工場や厨房、商業施設などでデザイン性と機能性を兼ね備えた用途に利用されます。一方、ガルバリウム鋼板は多彩な色や仕上げが可能で、住宅や倉庫など多様な建築物に適用できます。
  5. 環境への配慮
    ガルバリウム鋼板はステンレスに比べて製造エネルギーが少なく、リサイクル性も高いため、環境負荷の面で優れています。

ガルバリウム鋼板を選ぶ際のポイント

ガルバリウム鋼板を選ぶ際には以下の点に注意してください:

  • 厚さ:用途に応じた適切な厚さを選ぶことが重要です。
  • 表面仕上げ:外観を意識する場合、希望のデザインに合わせた表面処理を選択します。
  • 施工業者の選定:高品質な施工を行う業者を選ぶことが、長期的な性能を左右します。

ガルバリウム鋼板のメンテナンス方法

ガルバリウム鋼板は基本的にメンテナンスフリーとされていますが、長寿命化のため以下の点を実施してください:

  • 定期的な清掃:ほこりやゴミを除去することで、腐食のリスクを軽減します。
  • コーティングの再処理:必要に応じて表面を再塗装することで、さらに長い耐久性を確保できます。

ガルバリウム鋼板を使った屋根工事では当社にお任せください。

倉庫の屋根・外壁工事や住宅外壁工事での施工事例が多数ございます。全体構造を確認した上でコスト低減提案も可能です。また、当社の強みはフットワークよく工事を進めることができますのでお気軽にお問い合わせください。

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