インライン型 内径測定機の新規セットアップ

Before:   大径部分の測定時、エアマイクロ測定子の重量で作業負担大

　シリンダーブロックの内径を測定に関して、三和精密にご相談いただきました。現状では、シリンダーブロックの内径を測定する際に、直角度測定ができていませんでした。測定に関してはこの点が問題としてあり、測定を開始するまでの前工程に関しても、シリンダーブロックの機械への投入が手作業という点、測定ヘッドが重量物であるという点から、作業者への作業負担が大きくなっていました。
また、このご相談をいただいた時期はボールネジやリニアガイドの調達納期が非常に長い時期であったため、位置決めをするための部品選定が変わったとしても、図面上でもすぐに対応できる工夫が必要でした。他には使用ユーザー様からのご要望として、ワークのチーチング操作が操作盤での操作でない方法の選択、設置後に保全担当者が修理や部品交換し易い様に、モータの位置等の変更や向きも対応、などの仕様条件があり、それらを実現するために、三和精密で関係先と入念な打合せを行い進めていきました。

After:   作業者の負担を軽減し、ラインの自動化を実現

　三和精密とメーカーと協力をしながら、作業性と測定精度の向上を実現する新規のインライン測定機の設置を実施しました。

１．チーチングは、操作盤から別途手動パルス設定装置で行えるように
２．消耗品や耐久部品のモーターの交換作業の容易性の実現
３．内径測定と直角度の同時測定の実現（マスターリングで内径検査とマスター計測で直角度の検査）
４．内径測定子の徹底的な軽量化
上記を当初の仕様通り行いセットアップを進める中で、
５．画像処理カメラの制御盤更新や位置決めユニット部ワーク台の改造
６．コンベア間前後インターフェースI/O追加改造
７．シグナルタワーの位置の変更やモーターカップリングにカバーを追加
などの追加仕様変更にも対応いたしました。

　本件は、初回打合せから納品まで1年以上かかる新規測定器のセットアップ案件でした。打合せ等にも多くの時間をかけた甲斐があり、稼働1ヵ月以内に小さな補正を行った以後は、特に小さな問題も起きず、追加仕様等も無く、自動ラインで無事に稼働中しております。