コンプレッサを長寿命化するために必要なメンテナンスとは
空気圧縮機、すなわちコンプレッサは、製造業をはじめ、建設業や医療現場など、様々な分野で必要不可欠な動力源です。しかし、コンプレッサは適切なメンテナンスを行わなければ、性能が低下し、故障のリスクが高まります。故障は、生産性の低下や作業の遅延、さらには思わぬ事故につながる可能性も孕んでいます。
そこで今回は、コンプレッサを長持ちさせるためのメンテナンス方法について詳しく解説していきます。コンプレッサの基礎知識から、故障の前兆、そして具体的なメンテナンス方法までご紹介します。
コンプレッサとは
コンプレッサとは、空気を取り込み、圧縮して圧縮空気を生成する機械です。この圧縮空気は、様々な機器や工具の動力源として利用されます。例えば、工場では工作機械や塗装機器、建設現場では釘打ち機やエアレンチ、医療現場では人工呼吸器などに使用されています。
コンプレッサには、大きく分けて「レシプロ式」と「スクリュー式」の2種類があります。
レシプロ式コンプレッサ: ピストン運動を利用して空気を圧縮する方式です。比較的小型で安価なものが多く、家庭用やDIYなどにも広く普及しています。
スクリュー式コンプレッサ: 2本のスクリューローターの回転を利用して空気を圧縮する方式です。レシプロ式に比べて、連続運転に強く、振動や騒音が少ないのが特徴です。大型のものから小型のものまであり、工場や建設現場などで幅広く使用されています。
コンプレッサの寿命(耐用年数)とは
コンプレッサの寿命は、使用頻度や環境、メンテナンス状況によって大きく異なります。一般的には、約10年が耐用年数の目安とされています。しかし、適切なメンテナンスを行うことで、10年以上使い続けることも可能です。
コンプレッサの寿命を縮める要因としては、以下のようなものが挙げられます。
塵埃の侵入
塵埃がコンプレッサ内部に侵入すると、摩耗や故障の原因となります。
オイル不足
オイル不足は、摩擦による摩耗や焼き付きを引き起こし、コンプレッサの寿命を著しく縮めます。
過負荷運転
コンプレッサの能力を超えた負荷をかけ続けると、過熱や故障の原因となります。
振動
振動は、コンプレッサの部品に負担をかけ、劣化を早めます。
高温多湿な環境
高温多湿な環境は、コンプレッサの腐食を促進させます。
コンプレッサが故障の前の予兆とは
コンプレッサが故障する前には、以下のような予兆が現れることがあります。これらの兆候に気づいたら、早めに対処することが重要です。
異音
通常とは異なる音、例えば、キーキー音やガラガラ音などが発生することがあります。これは、ベアリングの摩耗や、部品の緩みなどが原因で発生する可能性があります。
特に、高音のキーキー音は、金属同士が擦れ合う音であり、
振動
コンプレッサ本体が大きく振動するようになることがあります。これは、回転部品のバランスが崩れたり、取り付けボルトが緩んだりすることで発生する可能性があります。
振動が大きくなると、コンプレッサ本体の破損や、周辺機器への悪影響を与える可能性があります。
発熱
コンプレッサ本体が異常に発熱することがあります。これは、過負荷運転や、冷却不足などが原因で発生する可能性があります。
特に、オイルの劣化や不足は、コンプレッサの発熱に大きく影響します。許容範囲を超える発熱は、コンプレッサの寿命を著しく縮める可能性があります。
圧力低下
圧力が上がりにくくなったり、設定圧力まで上がらなくなったりすることがあります。これは、吸気フィルターの目詰まりや、圧力弁の故障などが原因で発生する可能性があります。
圧力低下は、作業効率の低下に繋がり、生産性に悪影響を及ぼす可能性があります。
エア漏れ
配管や接続部などからエア漏れが発生することがあります。これは、パッキンの劣化や、配管の破損などが原因で発生する可能性があります。
エア漏れは、エネルギーの無駄遣いに繋がり、経済的な損失に繋がる可能性があります。
オイル漏れ
オイル漏れが発生することがあります。これは、オイルシールやパッキンの劣化、オイルタンクの破損などが原因で発生する可能性があります。
オイル漏れは、コンプレッサの潤滑不足を引き起こし、重大な故障に繋がる可能性があります。また、周辺環境を汚染する可能性もあります。
消費電力の増加
消費電力が急に増加することがあります。これは、コンプレッサ内部の摩擦増加や、電気系統の異常などが原因で発生する可能性があります。
消費電力の増加は、電気料金の増加に繋がり、経済的な負担を増大させる可能性があります。また、電気系統の異常は、火災などのリスクも孕んでいます。
これらの予兆に気づいたら、すぐに使用を中止し、専門業者に点検を依頼しましょう。
コンプレッサの長寿命化するために必要なメンテナンスとは
コンプレッサを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。具体的なメンテナンス項目としては、以下のようなものがあります。
⓵日常点検
日常点検は毎日運転前に行うべき点検です。 異常の早期発見に繋がり、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
運転状態の確認や油量・冷却水の確認などがあります。
②定期点検
定期点検は一定期間ごとに行う、日常点検より詳細な点検です。専門的な知識や技術が必要となる場合があり、業者に委託することで確実に点検を行なう事ができます。
定期点検はエアフィルターの清掃・交換やオイル交換などがあります。
日常点検・定期点検については下記記事で詳しく説明していますのでぜひご覧ください。
>>詳細はこちら
③その他
適切な設置場所
コンプレッサは、塵埃の少ない、風通しの良い場所に設置しましょう。
適切な運転方法
コンプレッサの能力を超えた負荷をかけないようにしましょう。また、連続運転時間を守ることも重要です。
コンプレッサは、様々な産業分野で活躍する重要な機械です。適切なメンテナンスを行うことで、コンプレッサの寿命を延ばし、安定稼働させることができます。
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