キトー製 リフティングポイントを徹底解説

重量物の運搬に欠かせない玉掛け作業。その安全性と効率を大きく左右するのが、吊り荷に取り付ける「リフティングポイント」です。中でも、ホイスト・クレーンのトップメーカーである株式会社キトーのリフティングポイントは、その高い品質と信頼性で多くの現場から支持されています。

キトーリフティングポイントとは?従来のアイボルトとの違い

 

リフティングポイント

リフティングポイントは、金型やコンクリート製品、産業機械といった重量物の吊り上げ・反転作業時に、吊り荷側に取り付けられる吊り具の一種です。一般的にアイボルトとして知られていますが、キトーのリフティングポイントは、従来のJIS規格のアイボルトが抱えていた課題を解決するために開発されました。

最大の違いは、横方向の荷重に対応できる点です。従来のアイボルトは、基本的に真上(垂直方向)に吊ることを前提としており、横方向から力がかかると、ボルトの根本に大きな負荷がかかり、破損する危険性がありました。

一方、キトーのリフティングポイントは、本体が荷重方向に合わせてスムーズに回転する構造(多くは180°可動、360°回転)を持っています。これにより、斜め吊りや多点吊り、吊り荷の反転作業など、様々な方向からの荷重に対して安全に対応できるのが最大の特長です。

選定時に押さえるべき重要ポイント

安全な作業の第一歩は、適切な製品選定から始まります。以下のポイントを必ず確認しましょう。

① 基本使用荷重の確認

吊り上げる荷物の質量に対して、十分な余裕を持った基本使用荷重の製品を選定してください。多点吊りの場合は、吊り角度によって一点にかかる荷重が増加するため、カタログ等で角度ごとの許容荷重を必ず確認する必要があります。

② ネジの仕様(サイズ・ピッチ・長さ)の確認

取り付け対象となる雌ねじの仕様(例:M24)に適合するものを選びます。ネジの長さも重要で、短すぎると十分な締結力が得られず、長すぎると座面が密着しない可能性があります。対象物の材質や強度も考慮しましょう。

③ 使用環境の確認

屋外や腐食性の高い環境で使用する場合は、防錆性の高い表面処理が施されたモデルや、ステンレス製のモデルを選定することが推奨されます。

安全性を高める!正しい使用方法と日常点検

製品の性能を最大限に引き出し、事故を防ぐためには、正しい使用方法の遵守が不可欠です。

正しい取り付け

取り付け面に異物がないことを確認し、リフティングポイントの座面が完全に密着するように設置します。手で締められるところまで締めた後、必ずトルクレンチなどの工具を用いて、メーカーが指定する「推奨締付トルク」で締め付けてください。締め付けが弱いと緩みの原因となり、強すぎるとボルトや相手材を損傷させる恐れがあります。

禁止事項の徹底

基本使用荷重を超える吊り荷の運搬は絶対に行わないでください。メーカーが想定していない改造(溶接など)は、製品の強度を著しく低下させるため厳禁です。可動範囲(例:180°)を超えて無理な力を加えないでください。

日常・定期点検のすすめ

始業前点検として、製品に摩耗、変形、亀裂、腐食がないかを目視で確認する習慣をつけましょう。特に、ボルトのネジ山や本体の回転部分に異常がないかを入念にチェックすることが重要です。少しでも異常を発見した場合は、直ちに使用を中止し、専門家による判断を仰いでください。

 

大久保産業は日頃からクレーンの修理・メンテナンスを行っており、四国で工場向けとしては唯一のキトー認定代理店です。クレーンの選定から新設工事・改造工事、そして、電気工事・据付・検査まで対応できますので、ぜひ大久保産業にご依頼ください。

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