ボールねじ修理 | 大分工場修理・メンテナンス.com

ここでは、ボールねじ修理・オーバーホールに関する施工サービスの説明をしております。

概要・特徴

工作機械をはじめとした自動機において、駆動部分に使用されるボールねじは重要部品とされています。そのため、ボールねじのトラブルや故障は、自動化機器の稼働状況に大きな影響を与える要因となり、トラブル時には早急な対応が必要となります。しかし、ボールねじの製作には、一般的に3か月～4か月程度の時間を要すため、他の機械要素とは異なり、緊急時に用意することが難しい部品です。ボールねじのトラブル時、お役立ちできるのが私たちの修理・オーバーホールサービスです。

注意すべきトラブルとその前兆

①　ストロークエンドへのボールねじ衝突

②　ねじ軸とナットハウジングの芯ずれ

③　切粉や粉じんの混入

ボールねじのトラブルには多様な原因がありますが、許容回転速度を超えて動作させたり早送りした場合、オーバーランによりストロークエンドにボールねじが衝突し動作不良が発生することが多くあります。
他にも、大径・長尺ボールねじの場合は芯がとりづらく、重量ゆえのたわみが発生するため、ねじ軸とナットハウジングの芯ずれが起こりやすく、トラブル発生の原因につながります。
また、マシニングセンタを始めとした切削加工機においては、切粉や粉じんがボールねじの循環機構内に混入し、循環不良が発生する場合があります。

トラブルが与える影響

①　ねじ溝の圧痕

②　異音の発生・加工精度の低下

③　ボールの循環不良

ボールねじが衝突することにより循環部品が破損すると、工作機械の加工精度をはじめとして求める動作を行うことができず、品質不良発生リスクが高まります。
芯ずれが起こっている場合、異音の発生や動作不良といった負の影響を与え、ボールねじの破損のリスクもあり、早めの対処が必要です。
ボールねじのトラブルでよく上げられるボールの循環不良は、ボールねじの経年劣化だけではなく、異物の混入により発生します。また、潤滑油とは性質が異なる切削油が混入し固まることで循環不良に繋がる場合もあります。

よくあるトラブルの対処法

①　ボールねじの取り付け精度の向上

②　洗浄・軸全周磨き・チューブ等新作

③　ボール全数交換・調整

ボールねじの経年劣化や仕様外での稼働による故障、異物混入が発生した場合、自社で修理を行うのは困難であり、知見を持つ業者への依頼が必要です。
当社では、ボールねじの修理を依頼された際、以下の作業を行います。

①ボールねじの分解
修理依頼を頂戴した場合、まずはボールねじを分解いたします。バックラッシュが発生しているボールねじについては、回転させることで簡単に軸から抜けますが、衝突による変形などを伴うボールねじについては簡易に分解できないため、当社のノウハウ、設備を用いて引き抜きます。

②洗浄
分解したボールねじは、金属専用の洗浄油を用いて洗浄します。油焼けが発生している場合は、油焼けについても洗浄します。洗浄後は、傷や打痕がないか確認いたします。

③軸全周磨き
洗浄後、軸磨き専用の旋盤に乗せ、全周を磨きます。この作業にて、錆が発生している軸についても、磨きを掛けます。

④チューブ等新作
循環チューブが折れる等、問題が発生している場合、チューブを新作いたします。メーカーごとにチューブサイズ・形状は異なりますが、現物を採寸させていただき、同形状ものを再製作いたします。

⑤ボール全数交換
軸磨き、チューブの交換が完了しましたらボールを全数交換いたします。ボールについては、ほとんどの場合摩耗があるため、必ず全数交換となります。

⑥再組立、調整
軸ネジ溝の摩耗量によって全周にわたって一定の予圧とはいきませんが、概ね問題の無い予圧量や回転となっているかテストします。ノウハウや経験が求められる作業となります。